かなのにうらるのブログ

小説・・・のつもり

閉ざされた心と共に 12

大きなコンピュータの中に入ると、エリーはジョンを探した。
「ジョンくん、何処に居るの?」
エリーが、そう言いながらコンピュータの中を探すと、一番奥にジョンが居た。
「ジョンくん、大丈夫?
しっかりして。」
エリーが、心配そうに声を掛けたが、ジョンは何の反応も示さなかった。
(どうしたのかしら?
さっきは、普通に話していたのに。)
エリーがそう思いながらジョンを見つめていると、外からロドス博士の声が聞こえて来た。
「エリーさん、ジョンの具合はどうかな?」
「ちょっと悪いみたいです。
呼び掛けても、返事をしないんです。」
エリーがそう言うと、ロドス博士がニヤっと笑った。
「そうかね。
ジョンには、会ったんだね。」
「はい。。。」
エリーが、少し戸惑って返事をした。
「それは、良かった。」
ロドス博士はニヤついた顔でそう言うと、テーブルの上にあるパソコンを操作した。
すると、何処かからか、少し低く唸るような、機械の音が聞こえて来た。
「あっ、キャーッ。」
それと同時に、大きなコンピュータから、エリーの悲鳴が聞こえた。

「エリー、どうした?
大丈夫か?」
焦って、大きなコンピュータに向かって言ったが、エリーの返事は無かった。
「ハハハハ、まんまと罠に嵌ってくれて、ありがとう。」
ロドス博士が、ニヤついた顔で、笑いながら言った。
「ロドス博士・・・エリーに何をした。」
ロドス博士を睨みながら、叫んだ。
「PSIシールドを作動させただけだよ。」
「PSIシールド?」
「ああ。
簡単に言えば、霊力を封じ込める機械だ。
政府のある機関から依頼されて作った、試作品だがね。」
ロドス博士が、とても嬉しそうに言った。
「シールドだかコールドだか知らないが、早く止めろ!」
ロドス博士に向かってそう叫び、近づこうとした。
「おっと、動くな。
それ以上動いたら、PSIシールドの出力を上げるぞ。
そしたら、エリーさんは、消滅してしまうかもな。」
ロドス博士が、ニヤついた笑みを浮かべ言った。
「くっ。」
俺は、ロドス博士を睨み、それ以上動けなかった。
「そう、それで良い。
さてと、ジョン、もういいぞ。」
ロドス博士はそう言うと、テーブルの上のパソコンを操作した。
すると、ロドス博士の隣に居る、ジョンのホログラフィが動き出した。
「博士。。。」
ジョンはロドス博士を見ると、悲しそうな顔で言った。
そして直ぐに、エリーが居る事に気付いた。
「エリーさん、大丈夫ですか?」
「だっ、大丈夫。
体中が痛いけど、大丈夫だよ。」
エリーが、少し辛そうな声で言った。

「ロドス博士、何故こんな事をするんだ。」
ロドス博士を、ジッと睨みながら聞いた。
「何故?
それは、キミたちが、わしの大切なコンピュータを壊しに来たからだよ。」
ロドス博士が、勝ち誇ったような顔で言った。
「知って居たのか。」
「ああ。
以前から、ジョンの思考パターンに『ゆらぎ』がある事に気付いていたんだ。
だが、それが何を意味するかは解らなかった。
だから、ジョンのログを解析し、キミたちの企みに気付いたんだ。」
ロドス博士の顔から笑いは消え、冷たい目で、ジッと睨み返していた。